時計塔



それから毎日いじめのような日々が始まった。

上履きを隠させたり、教科書をのりではって開かなくしたり、休み時間になると無理やりクラスの女の子たちに空教室に連れて行かれひどい暴力を受けたりもした。


私の体は限界寸前まで来ていた。

精神的にも疲れ果てていて、最初の頃は1人になるといつも泣いていた。

けど、今では全く泣かなくなった。

私の中でもこんな事ばからしくなってきて何をされても動じなくなった。

そんな私も心の中でたった1つ決めていたことがあった

”家族のみんなにだけは何があっても心配させない”ってこと。




そんなことを決めてから秋がきて、それから冬がきて。

いつの間にかあの頃と同じ季節の春になっていた。


そして今日は


――――――――卒業式。
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