時計塔
初めはどこでもお決まりの長い校長先生の話。
そのあとの卒業証書授与では泣き出す人が大勢いた。
けど、私は全く泣くことはなかった。
そして最後の番がきた。
「13876号3年B組、吉仲彩香」
「はい」
――――――――――――――――――
無事卒業式は終り、家に帰ってきた。
その日の夜は卒業祝いとしておじいちゃんたちも招いて家族みんなで夕食を囲んだ。
お母さんとおばあちゃんが腕をふるって作ってくれたご馳走はとてもおいしかった。
その日の夜は飛鳥といろいろな話をして楽しかった。
私、この家族の中の1人でよかった。
こうして私はあの暗い生活の日々から卒業したんだ。