キミの隣に
「渡辺さん、あの派手な男、
彼氏?」

共にお見送りしている
同僚の声も、不思議そうで。

「いや・・まだ・・。」

・・・まだって何よ?

思わずいった、自分の答えに
呆れてしまった。


こんなに、早く
譜面を渡してくれたって事は、
難しいんだよねぇ、きっと。 

昼休みに、早速、
音源を聞いてみる。

八曲のうち、三曲は、
私が歌う様に、演目リストに
書かれている。
うち、二曲は、
しってる曲だった。

・・・よかった。
洋楽だ・・・

邦楽、苦手なんだよね。


一連の流れを
知らせたいのだろう。
音源は、彼が予定している
全曲が収録されていた。

譜面をくりながら、
歌詞を確認する。


・・・なんて
ロマンティックな
歌詞なんだろう。


割と、シュールなモノを
透たちが好むもので、
普段歌わないような、
ラブソングが
チョイスされていた。


あの人

これを
あの音で弾くんだろうか?


エレキギターばりの鋭利な音で
神経が剥き出してるような
直接的な音色だった。


神経質っぽい音
だった気がする。

 

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