キミの隣に
 


この人は・・・



不思議な人だ。


横でタバコの箱を、
もてあそぶ鷹尾君を
観察する。


「何、ガンミしてんの?」

あまりに凝視したせいで
気持ち悪かったのか、
若干不機嫌目な表情で、
彼はこちらをみた。

「え?観察。」

「・・・見られんの
苦手なんだけど・・・」

「前にも言ってたよね。

・・・ホントにダメなの?」

「嫌いじゃなかったら、
アコギ選んでないと
思うけど・・・」

それって、
技に自信ないと無理でしょ?
エレキみたいに
ごまかし、効かないじゃん?

そういうと、

「だから、
マジメに練習する奴じゃなきゃ
向かないんだよ。

やっただけ、応えてくれるし。

ああ、だから弾いてる時は、
見てくれって、思うのかも。」

普段、自分のモノになってれば
よほどの事がないかぎり、
失敗しないのだと、彼はいう。


透もいってたよね。
同じような事・・・


『まあ、間違いなく鷹尾は、
自信家だと思うぜ?

あの正確な、四小節連続
六連譜技、みただろ?
普通、ワザワザやんねぇよ。』

・・・って、最後は
くさしてたけど。



 
< 73 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop