いちばんの星


「何で泣いてるの?」



ミュリエルの方には顔を向けず、正面を向いたまま優しく尋ねるスティーク。



そんなスティークの優しさに、ミュリエルは涙を拭きながらゆっくりと話し始めた。



「ヴェルヌ様と…喧嘩してしまったんです…」

「………」

「やっぱり…結婚なんて…無理かもしれない…」


そこまで言うとミュリエルは再び泣き出してしまった。



「ミュリエル…」



泣き続けるミュリエルを見つめながら、スティークは優しく話し始めた。



「ふたりの結婚が困難なものになるって、ヴェルヌだって…もちろん君だってわかってた事だ」



「違うかい?」と尋ねるスティークにミュリエルはコクリと頷く。



「でもふたりは結婚するって決めたわけだ。それは簡単な気持ちで決めた訳じゃないだろ?」



ヴェルヌからのプロポーズ…



もちろん、ただ好きだという気持ちだけで受けた訳ではない。
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