いちばんの星
「ふたりは夫婦になるんだ。お互い助け合って生きていくんだよ…もちろんそこに、身分なんて関係ない。
ふたりは…お互い自分の気持ちを相手に伝えてないんじゃないのか…?」
「私の…気持ち…?」
ミュリエルの問いかけにスティークは笑顔で頷いた。
この一週間…不安で仕方なかった。
帰りが遅いヴェルヌに、どんどん寂しさが募る。
しかし、彼を思うと自分の不安や寂しさを口にすることはできなかった。
「ヴェルヌも一緒さ」
スティークは、ミュリエルを見つめていた視線をゆっくりと空に移す。
「あいつも…ひとりで溜め込む癖があるから…」
そう言いながらスティークは再びミュリエルの方を見つめると、ミュリエルの頭にその大きな手をのせた。
「素直に話してみなよ」
優しいスティークの微笑みに、ミュリエルの表情にも笑顔が戻る。
「はい…」
「よしよし」
しばらくの間、ふたりは中庭に降り注ぐ太陽の光を浴びながら微笑みあっていた。