いちばんの星


「よっ!」



爽やかな笑顔で右手を挙げて微笑むスティーク。



「早いな…」



姿勢を変える事なく、無表情のままヴェルヌは答えた。



そんなヴェルヌの態度に、スティークは「まぁな」と微笑みながらソファーに腰を下ろした。



「そういやさぁ…」



テーブルの上に置かれた本をパラパラと捲りながら、スティークは話しかけた。



「俺聞いちゃったんだよな…ミュリエルが出てった理由…」



スティークの口からでたミュリエルという言葉に、ヴェルヌはピクリと反応したがすぐさま無表情に戻った。



「それがどうした…もう俺には関係ねぇよ…」



それだけ言うと、ヴェルヌは立ち上がり部屋を出ようと扉へ向かう。



そんなヴェルヌの背中に向かって、スティークが呟いた。



「お前…今どんな顔してる?」
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