いちばんの星


スティークの言葉に、ヴェルヌは背を向けたまま立ち止まった。



「ミュリエルがいた時とは別人みたいな顔してるぞ、お前…」



スティークの言葉が、静かな公務室に響く。



「手当たり次第に女に手だしたって…気持ちは晴れねぇぞ」



そこまで聞くと、ヴェルヌは部屋を後にした。



「ったく…」



手を出さないって決めたのに…



くしゃっと頭をかきながら、スティークは小さな紙を机の上に置いた。



近衛隊長という立場を利用してスティークは大臣ザランが今回の事に関わっているという事を突き止めた。



そして、ザランからリヴィアに全てを依頼したと言うことを聞き出したスティークはミュリエルが今リヴィアの店にいるというところまで調べ上げたのだ。



(本当に…あとはお前次第だ…)



スティークが置いたのはリヴィアの店の住所がかかれた紙…



ヴェルヌを信じ、スティークは紙を置いて部屋を後にした。
< 95 / 126 >

この作品をシェア

pagetop