香る紅
「・・・祈咲、何暴れてんの・・・?」

ちょっと引き気味で祈咲ちゃんのご飯を買ってきたのは、祈咲ちゃんのパートナーの、実紘くん。

実紘くんはそんな女王様な祈咲ちゃんの騎士にも王さまにも執事にもなれる、すごい人。

それに、緋凰もおっきいけど(この前測ったら185センチとか言ってた・・・。しかもまだ伸びてるって・・・。)実紘くんも181センチくらいあるらしくて、祈咲ちゃんとすごいお似合いのカップルに見える。

「だぁって実紘、緋凰のやつ、私の織葉こんなにして!16にもなるのに、とりすぎたとか!バッカじゃないの!?」

「きっ・・・祈咲ちゃん!そんな大声で言っちゃいけないよぅ!」

実紘くんは、ヒートアップする祈咲ちゃんをドウドウ、と諫めて、お昼のパンを置くと、

「俺は緋凰と一緒に飯食うから。それと織葉、嫌なもんは嫌って言ったって、かまわないと思うぞ俺は。」

「・・・ありがと、実紘くん。」

そう、爽やかに緋凰のもとに向かっていった。

「祈咲ちゃんは気に入らないかもしれないけど、緋凰のこと、悪く言わないであげて?緋凰はすごく、優しいよ。私が、緋凰を悪く見せてるだけだと思うの。」

そんな私の言葉に、祈咲ちゃんはいつも不思議そうに返す。

「織葉、あれは優しいなんて言わないわ!織葉は悪くないのよ!」

どうしても納得のいかない、でも私を心配しているからこそ、そういってくれる祈咲ちゃん。

だから、とりあえず、感謝だけ。

「祈咲ちゃん、心配してくれてありがとね。でも、私は大丈夫だから。私が甘えてるのがいけないんだから。実紘くんにも言っといて?」





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