時計仕掛けの宝石箱
響也はそぅっと階段から足を降ろし、振り返る。

視線の先には妙な格好のまま倒れている蜜羽がいた。

「おい、大丈夫か?」

今度は響也が慌ててで戻り、立ち上がろうとしている蜜羽を支えた。

「平気。でもおでこ打っちゃった」

スカートの裾の埃を払って、えへへ、と笑う。

「馬鹿。何で手を出さないんだよ」

「出したけど遅かったの!」

「威張らないの」

蜜羽の足がしっかりと床についているのを確認して、響也は手を離した。

結構派手にいったのか、まだ目尻には涙が浮かんでいる。

桜色になった額を擦りながら、蜜羽は響也を抜いてツカツカと歩いて行く。
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