時計仕掛けの宝石箱
「ヒィケゲケゲケヴェケケケ!!!!」

化け物は自らの手中にある餌を見て、感極まった声を上げ、汚い涎を滴らせる。

逃げて回っていた旨そうな、甘そうな、美味そうな兎が二羽。

随分手間が掛かったが、それもこの段階までくればどうでもよくなる。



さぁ、ちょっと早いディナーの始まりだ。

前菜も副菜もスープもない。

メニューはメインディッシュ一品のみ。



メニューの名前は<二羽の子兎の生き地獄>



スパイスは恐怖と絶望。

行儀は気にせず召し上がれ。



化け物は新鮮な脳髄、臓器、骨髄の極上の味を思い浮かべ、勢いよく襲いかかった。



響也の硝子玉の瞳は、迫り来る牙の羅列を見、そして自分の腕で眠る蜜羽を認め‥瞼という幕を降ろした。





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