時計仕掛けの宝石箱
「阿呆な事してないで、早く席に戻れよ。
もうすぐチャイム鳴るぞ」

「判った。じゃあまたね、響也、海ちゃん」

案外あっさりと了承し、蜜羽はひらひらて手を振って百八十度回転をした。

危なっかしく机の間を駆けていく蜜羽が自分の席に着くのを見届けて、
響也は海斗に向き直る。

「海斗、お前も」

「え~」

「えー、じゃない。とっとと座れよ」

そこで本鈴が鳴り、海斗は慌ただしく席に戻る。

ようやく嵐が去ったと響也が安堵したのも束の間、
後ろの机がガタガタと暴れ始めた。

静まり返った教室に響く音に、響也はしかめ面で振り返る。

「‥おい、海斗」

「悪い、ちょっと現代文がつっかえて日本史が取れないんだよ」

「整理整頓しとけよ」
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