黒猫前奏曲
「じゃあ、俺たちも弥生を起こして学校行きますかね?」

「あぁ」

短い返事を道成が返すと同時に、ドガっと鈍い音が聞こえた。

視線を送ると、久志が隣りで寝ていた弥生をソファから蹴り落としたのだ。

「あいかわらず、派手な起こし方だな」

「でも、弥生はこうでもしないと起きないからさ」

やれやれと言った感じで久志は軽く溜め息を吐きながら、ソファベッドをソファに直した。

「行くか。これ以上弥生起きるの待ってたら、遅刻する」

久志のその一言で制服に着替え終えた2人は、1人を無視してプレハブを後にする。

寝坊助くんが起きたのは太陽が真上を向き、道成たちが昼飯を食べていた時だった。
< 37 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop