感覚のレベル【BL】
 
 久しぶりに会って、久しぶりに見せてくれた笑み。

 以前見た雑誌では、「クールでいるのが俺の役割」みたいな、「笑わない宣言」チックなことを書かれていた一也は、普段から滅多なことでは笑わない。

 感情の動きが鈍いというか、冷めているとか、そんなことを人は言うけど、怒る時は誰よりも早い。

 けれど僕の前では笑ってくれる。

 メンバーの前でもそりゃ笑うんだろうけど……。

 まぁ、「笑うな」なんてそんなバカげたこと、言わないけどさ。

 けど、一也は笑おうが笑わなかろうが格好いいことには変わりない。

 ファンだって増えてるし、身近なトコロでも彼の人気は上り坂を辿りっぱなし。

 いくら自信があるとはいえ、やはり人間の心は分からない。

 他人の心なんて理解るはずがない。
 
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