やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・それもそうですね。」
私は、真木ヒナタの言葉に納得して、少し落ち着いた。
確かに、本当に危険な場所ならば、真木ヒナタが、組長と執事についていかないはずはなかった。
しばらくして、真木ヒナタの携帯が鳴った。
「おう、もしもし?ん?・・・・何?・・・・・・・・・・・・・・!わかった、今から、そっちに行くから、力ずくでも止めておけよ!」
真木ヒナタは、携帯を切ると、すぐに雑居ビルの方へと走り出す。
「ど、どうしたんですか?」
走り出した真木ヒナタに私が声をかける。
しかし、真木ヒナタは、何も言わずに、そのまま雑居ビルの中へと入っていった。
「・・・・・サブさん・・・行きましょう!」
私は、どうするべきか迷ったけど、何が起こったのか不安に感じ、真木ヒナタと同じように雑居ビルへと向って走り出した。
「小夜!待てよ!」
私の後ろから、サブが声をかけてきたが、私は、振り向かずに雑居ビルの中へと入っていった。