やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「その考えが間違ってるんですよ!男なら、好きな女は自分が幸せにするくらいの気持ちはもてないんですか?」
「・・・・あのな、俺の両手は、レナの綺麗な手と違って、血に染まってるんだよ。そんな俺の側にいつまでも、レナを置いておく方が、不幸せだと思わないか?」
「・・・それは・・・でも・・・・」
私は、今日、初めて言葉に詰まる。
「そういうことだから、小夜も、レナの結婚を祝福してやってくれよ。」
いつもと違い真面目な微笑みを浮かべる真木ヒナタ。
そして、立ちあがり、私の部屋を出て行こうとする。
「ま、待ってください。まだ、話が・・・・」
真木ヒナタを呼び止めようとするが、真木ヒナタは、聞かずにドアに手をかける。
「おやすみ、小夜。」
私は、真木ヒナタを止めることができずに、仕方なく、用意しておいた袋を部屋を出た真木ヒナタに差し出した。
「それじゃ、これだけ持っていってください。」
袋の中にはDVDがつまっていた。