いつでも逃げられる
「ねぇ」

私は彼に声をかける。

「ん?何?強くしすぎた?痛い?」

「そうじゃなくて」

一呼吸置いて、私は言う。

「…私が触れさせてあげたら…手錠と目隠しとってくれる?」

「……!」

男が息を飲む気配がした。




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