短編集『手紙』
そんなある日。

「ねぇ可奈子。口でシテ貰うのも気持ちいいんだけど、そろそろ。ね」

「いいわよ? 私も貴方が欲しい」

可奈子はロングスカートを捲り上げてそこを顕わにする。彼はその猛り狂った若さを、溢れ返った泉に突き立てた。

「可奈子!」

「ああっ! 頂戴! 中に頂戴!」

彼は勢い良くその欲望を吐き出した。

「貴方が私の中に溢れているわ。幸せ」

「俺もだよ、可奈子」

2人は薄暗い部屋の中で、いつまでも互いの体をまさぐり合っていた。

ここは『みるく』

彼らがいつも溜まっていた喫茶店。

「ねぇ、最近2人ほど見なくなったけど喧嘩とかしたの?」

 ママが心配そうに声を掛ける。

「いや。アイツ女が出来てさ」

「もう1人はバツが悪くなったんじゃね?」


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