【長編】距離
「同級生じゃないよ。
年上の女の人。」


名前は、言えない。


「年上?
芯、辛くない?」


朱菜の顔が一気に曇った。


「えっ?」


「芯は、きっと勘違いしてるよ。」


否定された?


「僕は....」


「恋に恋してるだけよ。」


なんで?


なんでだよ。


「僕の気持ちを否定しないでよ。」


「否定じゃない。
芯は、その人に何をしてあげたいの?」


「してあげる?」


僕は、首を傾げた。


「好きなだけじゃ、違うのよ。
愛にはたくさん種類があるから....
友情や同情にだって愛はある。
憧れにだって。」


「ただ好きなだけじゃダメなの?
まだ、ガキだからどうすることもできないけど....」


「芯、やっぱ、恋じゃないよ。」


朱菜、ヒドいよ。


僕は、朱菜が好きなんだよ。


好きな人に否定される気持ちわかる?


身も心もボロボロにされた気分だ。
< 106 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop