【長編】距離
『は〜い。
朱菜どうだった?』


心は、電話に出るなり聞いてきた。


せっかちなんだから。


「たぶん、心が思ってるとおりだよ。」


『ほほぉ。
で?』



心の声がめっちゃ楽しそう。


わかるけどね。


くわしく聞きたいのね。


「心の言うとおり、晩御飯は修も一緒だった。
で、修から告白されて、つき合うことになりました。」


深くなんて言えない。


だって、恥ずかしすぎるから。


あんな......


思い出しただけで照れちゃうよ。


『朱菜....
私、頑張ってみるね。』


「えっ?」


私は、心の声のトーンが急に真剣モードで戸惑ってしまった。


『漣斗の事よ。』


わかるけど....


「急になに?」


『私さ。
意識して貰うために告白するね。
とりあえず、一回目はダメでもともとで。』



心がこんな積極的だなんて。


「どういう心境の変化?」

私には、わからない。


さっきまでそんなんじゃなかったでしょ?
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