【長編】距離
『私、家に帰って考えてたの。
どんなに頑張っても無理な時は無理だし。
可能性があるかどうかだけでも試したいなって。
後、待ってるだけじゃダメなんだわかったから。』


「心....」


『ホントはね。
見ちゃったの。』


心、なんか泣きそうな声してる。


「なにを?」


『漣斗くんがね。
女の子と歩いてるとこ。
ショックだった。
まだ、何もしてないのにって。
後悔するなら、漣斗くんに気持ちを伝えてからがいいって思ったから。』


「恋は、人を強くするね。」


私もそうだけど。


心もそうなんだ。


てか、漣斗と歩いてた女の子って.....


『うん。
私、諦めたくない気持ちでいっぱいになったの。』


「心、漣斗はどんな女の子と歩いてた?」


あまり言いたくないと思うけど。


たぶん....


『ギャルっぽい子だった。
漣斗くんにしては、珍しいなって思ったよ。』


あぁ。


あの子か。


たぶん、あれは....


漣斗の妹だ。


それ以外に漣斗の近くでギャル系はいないから。
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