【長編】距離
てか....


行き先よりも最初に私を見てなんとも思わなかったのかな?


デート仕様の服装。


こんな服、修の前でしたことないのに。


いかにもかわいい女の子って感じにしたのに。


髪だって巻いたのに。


似合ってないのかな?


急に不安になってきた。


「朱菜?」


私の歩くペースが遅くなったのが気になったみたいだ。


「うん?」


「手を繋ごうか?」


修は、私の有無を聞かずに手を握った。


そして、私を引き寄せ囁いた。


「朱菜、今日かわいすぎなんだけど。」



私は、まさかのことに吃驚。


嬉しいんだけど、恥ずかしいし。


修は、気づいてた?



「修だって、かっこいいんだから。」


そうだよ。


修だって、普段見る格好をしてない。


ちゃんと気張った感じ。


かといって、堅苦しくない程度に緩く仕上がってるし。


普段がゆるゆるな感じだからね。


違った一面みたいな。


惚れ直しちゃうよ。


私ばっか意識してると思われたくなくて言えなかったし。
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