【長編】距離
「友紀」


じいちゃんは、ばあちゃんに抱きついた。


「七緒くん?」


ばあちゃんは、吃驚してるし。


「友紀、壊さなくてもいいかもしれない。」


「えっ?
本当に?」


俺には、何の話かわからなかった。


「....じ...。」


俺は、躊躇った。


割って話しに入っていいものか。


けど.....


「た、孝知?」


ばあちゃんは、俺に気づいてじいちゃんから離れた。


「ごめん。
邪魔するつもりは、なかったんだけど.....」


「孝知、悪いな。
お前も気にかけてくれてたのに。」


「えっ?
なんの事?」


話がわからない。


「跡継ぎが見つかった。」


跡継ぎ?


俺がなりたくてもなれない跡継ぎ。


そんなあっさり....


「誰?」


「修の実兄みたいだ。
跡を継ぐかは、わからない。
けど、可能性があるって事だ。」


修に兄貴?


陽向じゃなくて、実の兄?
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