【長編】距離
「偶然、今日、会ったみたいだ。
事情は、わからないがこれから行ってくる。」


「俺も行く。」


認めたくない。


跡取りがいるなんて。


そりゃ、じいちゃんとばあちゃんの苦しみを考えたらいてくれたのは嬉しい。


けど、俺は惨めだった。


役に立ちたかった。


なのに....



あっけない。


もし、ここが壊されたとしてもじいちゃんとばあちゃんを支えていく。



そう決めていたのに。


なんで?


俺は、必要ないんだ。


じいちゃんが求めたのは、痣ある人。


俺じゃない。


認めたくないけど、見たい。


好奇心が勝ってしまった。


「そうか?
友紀も行くぞ。」


じいちゃんは、一瞬不思議そうにしたけど、連れてってくれるみたいだ。


俺は、じいちゃんとばあちゃんと一緒に朱菜の家に向かった。
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