バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
『そんな熱い視線で見つめんなよ。我慢できないだろ。』
『っ…!?熱い視線なんか…,てか我慢してください。』
『無理。』
また無理って…
ジュンはあたしに近づいてぎゅっと抱きしめた。
お湯の熱なのかジュンの熱なのかわかんないけど,とにかく熱い。
あたしやっぱおかしいね。
成り行きで仕方なかったと言っても好きかどうかもわかんない人とお風呂なんか入っちゃってさ…
ふいに視線をさげると,タオルの下に見えるジュンの太ももに大きな傷痕があった。
何かでザックリ切ったような痕だ。
『ジュン,これどうしたの?』
『あぁ,高校の時チャリで転んだ。』
『こんなおっきな傷…痛そう。』
あたしはジュンの足から血が流れるのを想像してしまった。
『ペダルにガリっといったんだよな。痕は残ったけどあんま痛くなかったよ?』
そう言って上目遣いであたしの顔を見るジュン。
首筋の所々で水滴が滴っている。