オレンジの教室



“ブ―ッ!、ブ―ッ!”



突然、早川が突っ伏している机から携帯のバイブ音が響いた。


やばい…


そう思った時には、もう遅かった。





「ん……って、え?
く、蔵木くん!?」


先程まで閉じられていた大きな瞳はさらに開かれ、早川の顔には焦りと驚きの表情が広がっていた。



だが、早川が焦るのと同じくらい、焦っている自分がいることにも気がついた。


何を言えばいいか混乱した頭では思い付かず、出てきた言葉は、









「おはよう」









であった。




< 13 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop