大人の女と男の関係
私は横目で成哉の様子を窺った。


なんだか、遠くを見るような目つき。


あ、まただ。


さっき「マーヤ」でも見た表情。


やっぱり、どこかおかしい。


私は質問には答えずに問いかけた。


「成哉、なんかあった?」


すると、成哉は立ち止まって私を見つめた。


「香菜さんは俺に対していつもバリア張ってたよね。
今もそう。
ちゃんと答えてくれない」


成哉にじっと見つめられて私はうろたえた。


「そ、そんなことっ」


どぎまぎと視線を揺らした。


成哉は夜空を見上げ、淡々と続けた。


「そのバリアはずして、もう少し俺のこと受け入れて欲しかったな」


成哉は私に話しかけながらも、なんだか他のことを考えているようだった。


やっぱり変だ。
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