田舎の王子様~照れ屋な俺様
「…分かってる。…未紗からしたら、オレなんか空気みたいなもんだろ?


だったらさ、今まで通りでいーじゃん。いてもいなくても同じ?


そんなヤツがお前の事、ちょっとぐらい好きだって…何て事ないだろ」


そこまで卑下しなくても…。


「…そんな、ずっと好きだったんだ?」


「…あー。そだな」


チェーンに引っかかる音が、キイキイうるさい。


でも…


こんな音でさえ、今の私たちには


救いの音に思えた。


沈黙でも…


気まずくない。



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