そして秘密の時間(とき)を共に
私は思わず回りをキョロキョロ見回して、知り合いがいないのを確認してから、涼を見た。



「涼、もっと早く来るのかと思ってた」

「早くは来てたんだけど、ちょっと友達と会ってたんだ。待たせて悪かったな」

そう言いながら、涼は自分の席に座った。



「あっ、もしかして、このチケットくれた人?」

「そう」

「私もお礼が言いたかったな……こんな良い席だと思わなかった」



涼はクスッと笑った。

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