危険な彼女
「ってて………」




奈津は、痛みをこらえながら、目を開けた。



すると、そこには見知った幼なじみの女の子の顔が。




――………ん?




そして、右手は何故かお約束な場所に。



亜紀の顔は真っ赤である。




次の瞬間、奈津は背中に殺意を感じた。




「な〜つ〜………」




お嬢様はお怒りだった。



いや、たしかにこの体勢は亜紀を押し倒しているようにみえるし、右手はよからぬ場所にあるが…




「さ、桜…落ち着け………

これは不可抗力だ、なぁ、春」



「知らん」




――んな殺生な!!!




「なぁ、美冬」



「変態」




――えぇぇ!!?




亜紀にいたっては話せそうになかった。




「…奴隷のくせに奴隷のくせに奴隷のくせに奴隷のくせにぃ!!!!」



「お、落ち着け…な、な?」




「この…ド変態があぁぁ!!!!!」




「誤解だああぁぁぁ!!!!!!」




――やっぱり思う!!!

こいつ危険!!!




奈津は頭に浮かぶ星を見ながら、そんなことを思っていた。



          【完】
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