お菓子のこころ《詩集》
廃墟


失くすことに慣れすぎた私は
作り出すことも拾うこともへたくそで

どうにも錆びた鉄のようにしか

体は
掌は
動かなくて


日向を知らない雑草ばかりが暮らす廃墟のなかで

ただ
立ち尽くすだけ




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