お菓子のこころ《詩集》

甘いだけの嘘を吐いて
優しさを売り飛ばした
斜めに走る雨は黒

涙流した頭上の雲が
ひきつった笑いで世界を包んだ

枯れた優しさが欲しいの
手頃であればいいの

問い掛けてみた
追い掛けてみた


見上げた曇天
アスファルトの斑点


落とされた涙は 黒


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