love letter~ヤンキーの彼氏~
強くなきゃいけない?


そういや、さっきもそう言ってたけど何なの?


私は、ゆっくりと転校生の方へと振り返った。


転校生の回りに白く嫌な臭いが私の鼻に嫌悪感を与えていく。


そう、転校生はオレンジのライターを右手に持ち、白いチョークに似たようなモノを加えていた。


それが何なのかは一目でピンときた。


「タバコ…」


別に吸っている人を初めて見たわけじゃないから、そんなには驚きはない。


ただ、タバコを吸いながら私を見つめるその目が


転校生の目が、私に何かを伝えようとしているんじゃないかって勝手に感じていた。


「ふぅ、そういや名前忘れた…何だっけ?」


空に向かって毒素たっぷりの白い煙りが吐き出しながら問いかけてきた。


このまま、私の存在も忘れてくれたら良いのにと思っていたはずが、私の口は勝手に動き出す。


「千恵…羽村千恵」

まるで誰かに操られてるみたい。操ってるのは誰?


もしかして、無邪気に笑ったかと思ったら冷めたような目をする目の前に居る…


「原田大樹、改めてよろしく」


私を見ずに、空に向かって自分の名前を告げた。
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