love letter~ヤンキーの彼氏~
すっかり耳まで熱くなってしまった頃には、早鐘のようにドキドキとしていた。
治まれ、治まれ、という文字を頭に浮かべながら私は、転校生にバレない程度に小さな深呼吸を繰り返す。
でも、持ち主の言う事を聞いてくれない私の心。
「こっち来いよーなぁ?」
そんな今の私をからかうような言葉を掛ける転校生に、反論したかったけど、今は振り返る事ができなかった。
いや、あの顔を直視する自信がなかったからと言った方が正しいかも。
「何よ!強い事がそんなに嬉しいの?ケンカに勝つことが、そんなに偉いの?」
背中を向けたまま、私は意味不明な言葉を並べて怒り口調で言ってしまった。
ヤバいと思ったところで、もう遅い。
変に体中に力が入ってきて、違和感ながらも若干の覚悟を決めた。
何かされたら、走って逃げてやる。
なんていう私の決意は、予想外の転校生の言葉によって一瞬に消された。
「嬉しいとか、偉いだとか、そんな事はどうでもいい。ただ、俺は強くなきゃいけないんだ…」
私の全身に入っていた力が消えて、全身に軽さが戻っていった。
治まれ、治まれ、という文字を頭に浮かべながら私は、転校生にバレない程度に小さな深呼吸を繰り返す。
でも、持ち主の言う事を聞いてくれない私の心。
「こっち来いよーなぁ?」
そんな今の私をからかうような言葉を掛ける転校生に、反論したかったけど、今は振り返る事ができなかった。
いや、あの顔を直視する自信がなかったからと言った方が正しいかも。
「何よ!強い事がそんなに嬉しいの?ケンカに勝つことが、そんなに偉いの?」
背中を向けたまま、私は意味不明な言葉を並べて怒り口調で言ってしまった。
ヤバいと思ったところで、もう遅い。
変に体中に力が入ってきて、違和感ながらも若干の覚悟を決めた。
何かされたら、走って逃げてやる。
なんていう私の決意は、予想外の転校生の言葉によって一瞬に消された。
「嬉しいとか、偉いだとか、そんな事はどうでもいい。ただ、俺は強くなきゃいけないんだ…」
私の全身に入っていた力が消えて、全身に軽さが戻っていった。