End of the transmigration of souls■Chapter1■
「じゃあなんで最近街へ出るようになったの?」
「だってもうずっとあいつここにはいないだろ?」
「え?ずっと前から…?」
「お前…知らなかったのか?」
「最近ずっと見当たらないと思ってたけど…。元々お父さん、あんまり気配のない人だったし」



あの女の人は月影島の土地の大半を所有する地主の娘、神梛佰憐という人だそうだ。 彼女とは師匠が街へ出るようになってから出会ったらしい。今までは何事もなく交際を続けていたのだか、たまたま師匠が待ち合わせに遅れて佰憐さんが心配して師匠を探しに山へ入って行った所を街の人に見つかってしまって後をつけられたことがあったらしい。それから師匠は街の人間から 不審に思われるようになった。師匠が別の大陸の人間なのもわかってしまい、他国の文化を持ち込まれるのを嫌う月影島の人間は師匠を忌み嫌った。それが婚約破談の真実だと師匠は話した。



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