End of the transmigration of souls■Chapter1■
「…ねぇ、師匠はお父さんに研究室のこと口止めされてたんでしょ?なんで街の人は研究室のこと知ってたの?」
「街の連中が山の中を捜索したり俺を監視したりしてる時に見つけたんだろ…。
あれを見れば誰だってアルトルーシュカのヴァリーフォージの研究員がいるってわかるさ……。その研究室から毎日出てくる子供。だからお前は研究員の娘。その娘と俺が一緒に居るとこをたまたま見た。ただそれだけだ。奴等は実際にイージスを見た訳じゃない」
「なんか矛盾してることがあってわかんなくなってきた…」
「…なぁ…イセルナ。お前本当に………」
「何?ちゃんと最後まで言ってよ」
「…本当にイージスの娘か?」
「……………」
「……悪い」
「なんで謝るの?」
「いや…だって……」
「ホントはね、あたしもそう思ってるの…」
「……………」
「ねぇ、ヴァリーフォージって何?」
「ヴァリーフォージは神を敵に回した暗黒大陸、アルトルーシュカにある巨大な研究機関だ。ありえないくらいの高度な文明のある大陸らしい。その文明の大半は科学や錬金術が融合した技術らしい。それ以外は俺にもわからない。月影島のすぐ側にあるのに黒い雲に覆われてて見ることもできない」
「あの丘から見える黒い所?」
「あぁそうだ」
「お父さんはそこから来た人なの?」
「それは確実だ。何故ここに来たのか理由はわからないけどな」
「じゃあ、あたしも………」
「…………」



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