End of the transmigration of souls■Chapter1■
「よお………」
「……一番会いたくなかった奴に会ったな……」
「それは光栄だな」
「……………」
「やっぱり行くのか…?」
「行かなきゃいけないでしょ。行かなくてもいいならこんなとこに居ないよ」
「それもそうだな」
「………どいて。あたし時間がないの」
「あぁ……」
「全然どいてないし」
「そうだな」
「………ふざけないでよ…。……もう行く。…………バイバイ」



ゼファはそれ以上は何も言わなかった。ただ背中に視線を感じるだけ。それが辛かった。 もう二度と会うことはないかもしれない…。だから会いたくなかった。だからゼファには何も言わずに出て行きたかった。なのに余計な事を………。こんな所で見送られたら行けなくなる…。せっかくこらえてた涙が頬を伝った。



嘘だよ………。会いたくないだなんて嘘に決まってるじゃん。これからもっと一緒に居られるはずだった時間を3日間で埋めたかったよ。だけどそんな事したら
残して行く方も残される方も辛いじゃない。それに、他から聞いた話だけど、ゼファは神族戦からは外されているらしいし。これから指名で長期のミッションに出される事になったから神族戦は無理なんだって。どっちにしても危険なんじゃん?あいつもあたしにその事隠してたし。結局お互い様なんだよね。



< 73 / 149 >

この作品をシェア

pagetop