モノクロ
ごめんね。

そんな顔、させたいわけじゃないの。


でも、この家にはお父さんとお母さんの匂いがまだしてるみたいで……一人でいるのは辛い。




「……処分、するの?」

私は黙って頷いた。


こんなに大きな思い出、私には重過ぎる。

それに、きちんと管理出来る自信もなかった。

管理出来なくて、荒れていく家は見たくなかった。




引っ越し先の小さなマンションでも使えるような電化製品と。

お父さんの書斎にあったデスクを勉強机の代わりに。

お母さんのアクセサリーとアルバムを持っていくことにした。



「本当に、いいの?」

遺品の整理をしながら、何度も叔母さんに問い掛けられた。


「うん、いいの」


新しい家も陽子叔母さんと二人で見に行って決めた。

駅から近く築年数が浅くきれいで、管理人さんがすぐに対応してくれる所。

キッチンとリビングが別れてるのもポイントが高かった。



「女の子の一人暮らしなんだから、安全な所じゃないと」

とは、叔母さんの言葉。
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