大空
透き通った
美しい空
12歳の夏。
あの頃、俺は、
空ばかり見ていた。
いろんな表情をする空が、好きだった。
家の前にある野原に寝っ転がって、空ばかり見ていた。
どこか遠いところで、同じこの空を、同じように見ている人がいるんだろうか。
友達が少ないわけじゃない。学校がつまらないわけでもない。
ただ、いつも見ていなくてはいけないような気がして。
空が、呼んでる気がして。
「透くん」
だれかが呼んだ。
ゆっくり体を起こすと、隣に住んでいる、1歳ちがいのお姉ちゃん的な存在の、美空ちゃんが近づいてきて、隣に腰を下ろした。
「美空ちゃん」
「透くん、また空見てたの?」
美空ちゃんは、やさしい笑顔で言った。
美空ちゃんは本当に美人だ。
透き通ったような、色白の素肌。長くてきれいな髪。切れ長の、少しつり目の瞳。白いワンピースが似合いそうな、きれいな人だ。
「空、好きなんだもん。」
「初めて会った時も、空見てたよね。」
僕等の、初めての出会い。
あの頃、俺は、
空ばかり見ていた。
いろんな表情をする空が、好きだった。
家の前にある野原に寝っ転がって、空ばかり見ていた。
どこか遠いところで、同じこの空を、同じように見ている人がいるんだろうか。
友達が少ないわけじゃない。学校がつまらないわけでもない。
ただ、いつも見ていなくてはいけないような気がして。
空が、呼んでる気がして。
「透くん」
だれかが呼んだ。
ゆっくり体を起こすと、隣に住んでいる、1歳ちがいのお姉ちゃん的な存在の、美空ちゃんが近づいてきて、隣に腰を下ろした。
「美空ちゃん」
「透くん、また空見てたの?」
美空ちゃんは、やさしい笑顔で言った。
美空ちゃんは本当に美人だ。
透き通ったような、色白の素肌。長くてきれいな髪。切れ長の、少しつり目の瞳。白いワンピースが似合いそうな、きれいな人だ。
「空、好きなんだもん。」
「初めて会った時も、空見てたよね。」
僕等の、初めての出会い。