カラカラライフリズム
進藤が、やっと樋口から手を放した。
そこで、丁度ドアにノックがあった。

進藤は深く息を吐くと、
腕時計を確認してから「入れ」と言った。

入って来たのは、制服姿の一樹と光だった。

一樹の制服姿は久し振りに見たが、進藤と樋口の予想通り、
皺くちゃもいいところだった。

そういえば引越しの時に、
あいつはクローゼットから出した制服を、
無造作にそのままボストンバックにぼっ込んでたっけ、
と樋口は思い出した。

その後、きちんと一樹がアイロンをかけるはずなどないし、
そもそも部屋にアイロンは無い。

まあ、それは今はいいとする。
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