カラカラライフリズム
樋口が最近驚いたのは、寮内にいるCPGのほとんどが、
一樹を良く思っているという事実だった。

特に光は『好き』と言ってもいいくらいで、
それが友情からなのか人間的になのか、
あるいは別の何かなのかといったところだ。

それはともかく、樋口にさえ敵意を見せる晴喜が、
一樹の名前を出しただけでここまで表情が変わるものなのか、と思った。

芸術家や、CPGとしての『毒』が抜け切った、『少女』の顔……。



もしかしたら、晴喜はCPGになる前は、
こんなにもあどけない少女だったのだろうか。
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