カラカラライフリズム
口を塞いでいるのは、ガーゼのように柔らかい布だった。
だが、呼吸をすればするほど、意識が遠のいていく。
何か、薬品が仕込まれているようだった。
喉が、一直線に熱くなる。
血が噴き出したのが分かった。
致命傷である事は明らかであったはずなのに、不思議と痛みは無かった。
ただ彼は、後悔をしていた。
ああ、どうしよう……。
油断するなと言われていたのに。
あの二人が「誰か」「誰か」と言っていた人間が、
来てしまった。