カラカラライフリズム

謀反人






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――視界がぼやけている。


それもそのはずだ。


今まで、こんな怪我をしたことなど無かった。
 

体のあちこちに擦り傷や切り傷。


おまけに、肩を銃で撃ち抜かれた。
 



逃げても逃げても見付かり、しばらくここに身を潜めていようと路地に飛び込んですぐ、


背後にあった空き瓶のケースが、バァン! と弾ける。
 

……倉本は、追われていた。



謀反が明るみになる前に、もっと遠くへ逃げられるかと思っていたのだが、


自分についていた監視の目は、思っていたよりも多かったらしい。



「……ったく、僕は運動嫌いなんに……」
 

更に、降りしきる雨が、彼の行動を阻んだ。
 

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