カラカラライフリズム
謀反人
÷÷÷÷÷÷÷÷÷
――視界がぼやけている。
それもそのはずだ。
今まで、こんな怪我をしたことなど無かった。
体のあちこちに擦り傷や切り傷。
おまけに、肩を銃で撃ち抜かれた。
逃げても逃げても見付かり、しばらくここに身を潜めていようと路地に飛び込んですぐ、
背後にあった空き瓶のケースが、バァン! と弾ける。
……倉本は、追われていた。
謀反が明るみになる前に、もっと遠くへ逃げられるかと思っていたのだが、
自分についていた監視の目は、思っていたよりも多かったらしい。
「……ったく、僕は運動嫌いなんに……」
更に、降りしきる雨が、彼の行動を阻んだ。