カラカラライフリズム
代わりに唸るように問い詰めると、

「…うるさいわね!
ふ、復讐よ……だってこいつは、
私の兄を自殺に追い遣った張本人なんだもの!」

幸枝は、途轍もなく悪い事をした時に、
言い訳をする小さな子供のように、
叫び混じりの悲痛な声を上げた。

そして、彼女は自分を無理矢理落ち着かせるように肩で息をしながら、

「全部調べたわ……。
こいつがCPGの執行史で間違い無いって事も、
記憶が無い理由も……」


吐き捨てるように冷たく言った。

一樹は頭の中で整理して、
ようやく事態を悟った。

そして同時に、執行庁情報管理部のコンピューターに、



ハッキングした人間が一体誰だったのかを。
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