Distance of mind


さすがにそれは無理だと思った。


「けっ、敬語と呼び捨ては関係ないです!!..じゃなくて、ないっ!!」


「あ~?俺に口答えしていいの?」


クスっと笑って、篠崎理玖はあたしの背中に手を入れてくる。



しまった~!!
どうして今日背中開いたの着てきちゃったんだろ!!!
いまさら後悔だよ~っ


「よ、呼ぶ呼ぶッ!!!!」



もう少しでブラのホックに手が届きそうだったから。
怖くてあたしは呼ぶことを約束してしまったんだ。



「お。やった。じゃあ呼んで?」



背中から抜かれるだろうと思っていた手は、そのまま留まっている。
約束したら、抜いてもらえると思っていたあたしが甘かった..


「え、も、もう?!」

「もうって..。いつから呼ぶ気だったんだよ。」

「・・・。」



返す言葉が無い。


「り...り..」



『く』



その単語が出てこない。
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