Distance of mind


「早く」


せかすように篠崎理玖はそういう。





「....り....く」

「もう一回ー。」


「りく!理玖理玖理玖ッ!!!!!」



もうこんなのムキになんないとやってらんないよ



「よく出来ました~」


そんな赤ちゃんに話しかけるような口調で言われた言葉。

その時体が不覚にも熱くなって。おまけにドキドキまでしちゃったんだ。


そんな自分を認めたくなくて、あたしは一人で焦って



「もういいじゃん!あたし帰りたい!!」


「いいよ。」



案外すんなり受け入れてくれて、ちょっと拍子抜け。


「え、あ。いいの?」

「何?まだ俺と一緒にいたい?」


「ち、違うよっ!!もう、いいなら帰らせて!」


遊ばれてるよね。あたし...


「..でもただで帰らすとは、誰も言ってねぇよ?」



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