二人で一人〜永遠に
俺は、兄貴に抱きついた。

「おい、おい、抱きつく相手が違うだろ!」

そう言って、兄貴は俺の尻を叩いた。

「だって!手術があるから、式には出れないって聞いてたから」

「患者の体調が、引っ掛かってオペは延期になったんだ」

「そっかぁー!」

俺は、笑顔になった。

「おい、不謹慎だぞ!」

「あっ!悪い…」

俺は、両頬に手をあてた。

「眼が見えない患者にとって、どれだけ辛い思いをしているか…」

「分かった!分かったよ!兄貴の説教は、式が終わったら聞く!」

「説教ってお前…」

俺は、兄貴を窓際の椅子に座らせた。

「何か飲むか?」

俺は、煙草を消してコップを持った。

「あぁ、…それより千冬は、まだか?」

「あっ、そうだなぁ……」
俺は、コップにお茶を入れながら、腕時計を見た。

「逃げられたか?」

兄貴は、笑いながら冗談を言った。

「逃げる?!千冬が?!、…兄貴、千冬が逃げるんだったら、とっくに逃げてるよ!俺達、三人は小さい頃からの中で、付き合って3年だぜ!」

俺は、お茶を飲み笑った。

「だな!逃げるんだったら、とっくだよな!」

俺は笑いながら頷いた。

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