二人で一人〜永遠に

「………」

「…琉汰もアメリカで頑張ってる、だから千冬も…」

そう言って浩介は、私の肩に手をおいた。

【琉汰が…アメリカ…】

「…日本に…居ない…」


「千冬？」

「…ごめんなさい、もう1日時間ちょうだい…」




「…無理なんじゃないか？千冬は…」

「大丈夫、千冬は強いから…」

「琉汰…」

俺は決めた…千冬の傍に居ると…。

どんな形でも、千冬が俺の存在を分からなくても俺が…千冬を守る。



――「…琉汰がアメリカに！？」

「…うん…」


「…そんな」

「…琉汰が頑張っているなら私も…」

「…千冬…」

「…勘違いしていたのかな…」


「勘違い？」

「…ううん、何でもない」

「………」

「少し横になるね…」

私は立ち上がり部屋に向かった。

「…千冬！」

「ん？」

「泣いてもいいんだからね…」

【…………】

「…ありがとうお母さん…」

私は暗闇の中で、お母さんに微笑んだ。



――俺は、千冬の家の前に居た。

〔ピーンポーン〕

俺はチャイムを鳴らした。

「はーい」

扉の向こうで、おばちゃんの声が聞こえた。

〔ガチャッ！〕