神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
ブロロロロ…キー!


バタン、バタン


ようやく白蓮の屋敷の前に着いた透達は、車を降りて玄関へ向かった。


「やはり静かだ…何も無いんじゃないか?」

透が屋敷の方を見て言った。

沙綺は屋敷に近付くと、なにもない空間に手を出した。

「…………。」


「何してんのよあんた?」

忍は眠そうな彩音を車から引っ張り出しながら聞いた。


「やはりな、式神の様子がおかしい理由が分かったぜ。これは白蓮様の隔離結界だ!」


「隔離結界?」


「ああ、現世との繋がりを断って、その周囲に被害が及ばないようにする結界だ。この結界を張れるのは結界士の白蓮様くらいしかウチには居ねぇ!」

沙綺は透達に振り返ると言った。


「つまりこの中で戦闘が起きてるって事だ今から俺が一部だけ結界に穴を空けるすぐに飛び込め」

沙綺は透達の返事を待つことなく呪符を屋敷に向かって投げた!
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