神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
そこには今まで外から見ていたのとは全く別の姿の屋敷があった…。

瓦が崩れ落ちてガレキの山を築き、木製の柱や壁が砕けている。

庭は荒れ地のようになり、綺麗だった日本庭園の面影はどこにもない…。

所々に退魔士の死体があり、完全な姿の者はあまり居なかった。

透達は白蓮の部屋へ向かって庭を駆けだした!



そして



生き残った退魔士達と、負傷している者の治療に当たる白蓮の姿を見つけた!


「御館様」

駆け寄った沙綺達が真っ先に声をかけた。

ゆっくりと振り返った白蓮は言った。


「…おかえり。あんた達に怪我はなかったねぇ?」


「俺たちは大丈夫です!それより何があったんですか!?」

沙綺が白蓮の側に行って怪我がないか確かめながら言った。


「…まんまとハメられたわぃねぇ。
あんたたちの追った妖はオトリじゃった…。
奴らの目的は、邪魔なあんた達をここから引き離すこと。
…来たのは鵺じゃ。」


「鵺ですって」

忍が高い声で驚いた。
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